「キャッチャーのリードとは?」
こんな風に思ってる方に向けて、キャッチャーのリードについてお話します。
キャッチャーのリードとは、基本はセオリー以外を根拠にした組み立てです。
たとえばバッターの右打ちがセオリーのケースなら、
普通はバッターが右打ちしにくいボールを要求します。
でもリードとは、あえて右打ちしやすいボールを要求するんです。
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「どうしてセオリーを無視してまでキャッチャーはリードをするのか?」
ここにリードの正体があります。
本記事ではキャッチャーのリードの正体やリードの事例など、
20年以上キャッチャーをしてきた私が解説します。
上手くリードして、1試合でも多く勝ちましょう!
コンテンツ
キャッチャーのリードとは?
キャッチャーのリードの基本はセオリーの逆を攻める組み立てです。
もう少し具体的に説明すると、
キャッチャーのリードとは「ケースバイケースで根拠のある投球の組み立て」になります。
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投球を組み立てるときには1球1球の根拠が大切です。
その根拠として一般的なのがセオリーなので、
もしキャッチャーが違う根拠を持ってるならセオリーを無視しても問題ありません。
また、レベルが高くなるほど選手の野球IQは高くなるので、
ときにはセオリーを活かし、たまにはセオリーを無視する駆け引きが勝敗を分けるんですよね。
リードは通用しないから気をつけようね
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とはいえ、野球においてセオリーは絶対的な考え方です。
なのでセオリーを無視して打たれれば100%キャッチャーの責任ですし、
逆に完璧に抑えることができれば100%キャッチャーのおかげになります。
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キャッチャーのリードの根拠
キャッチャーがリードをするなら根拠が大切です。
リードの根拠とは「なぜこのボールを選んだのか?」になります。
セオリーだけではなく、この5つもリードの根拠になりえます。
各ポイントを簡単な事例を交えながら解説していきます。
ピッチャーの調子
1つ目のキャッチャーのリードの根拠はピッチャーの調子です。
ピッチャーは機械ではありません。
調子の良い日もあれば悪い日もあるので、それを考慮しながらリードを組み立てます。
ストレートのキレが良いなら真っ直ぐを中心にする
ストレートが高めに浮くなら変化球を多めに要求する
変化球のキレが悪いなら緩急だけを意識して組み立てる
変化球のキレが抜群ならストレートを見せ球にする
リードを考えるうえで、ピッチャーの調子は8割くらいを占めます。
ピッチャーが投げてくれないと意味ないからね
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「ピッチャーが構えたところに投げなかったから打たれた」ではなく、
その可能性も含めて、キャッチャーはリードを組み立てたいですね。
ピッチャーの調子を考えたリードの仕方はこちらで解説してます。
相手バッターの情報
つぎのキャッチャーのリードの根拠は相手バッターの情報です。
相手バッターの情報が多ければ多いほど、リードの根拠になります。
インコースに弱い
高めのボールに強い
落ちる系のボールに手を出しやすい
変化球を反対方向に打つのが上手い
プロ野球なら相手バッターの情報を多く持ってるので、リードの根拠になりますが、
中学生や高校生、大学生の場合はそこまでないので根拠としては弱いです。
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ただ、試合中に相手バッターを観察すれば特徴や傾向は掴めるので、
1打席1打席を大切にして、相手バッターの情報を集めたいですね。
リードするときのバッターの観察ポイントはこちらで解説してます。
試合の流れ
3つ目のキャッチャーのリードの根拠は試合の流れです。
試合の流れが自チームにあるのか、相手チームにあるのかもリードの根拠になります。
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試合の流れが相手チームにいきそう:三振を狙う
試合の流れが相手チームにある:投球リズムを変える
試合の流れが自チームにある:テンポよく組み立てて隙を与えないようにする
試合の流れが悪いなら自チームに勢いのあるプレーを狙ったり、変化をつけたり、
試合の流れが良いなら維持できるように意識したいですね。
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それもまた練習です
試合状況の観察ポイントはこちらで解説してます。
グラウンドコンディション
つづいてのキャッチャーのリードの根拠はグラウンドコンディションです。
風の向きや強さ、グラウンドの状態などもリードの根拠になります。
外野方向に風が吹いてる:低く構えてゴロを打たせる
前日の雨でグラウンドがぬかるんでいる:なるべくゴロを打たせないようにする
風もグラウンドもそこまで何も変わらないのであれば意識しなくてOKですが、
グラウンドコンディションが悪い試合は考慮したいですね。
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相手監督の考え方
最後5つ目のキャッチャーのリードの根拠は相手監督の考え方です。
相手監督がどんな作戦やどういう野球が好きなのかも根拠になります。
積極的な走塁が好き:ウエストボールも使う
どんどん打たせる:長打や連打をされないようにリズムを頻繁に変える
相手監督がどんな風に試合を動かしたいタイプなのか分かっていれば、
リードに活かしていきたいですね。
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その際にはランナーやバッター、ベンチやランナーコーチの雰囲気を見て、
どんな作戦がありそうなのか仮説を立てるといいですね。
配球とリードの違いはこちらで詳しく解説してます。
キャッチャーのリードの事例
それではキャッチャーのリード論の事例です。
それでは1つずつお話します。
フルカウント
1つ目のキャッチャーのリード論の事例はフルカウントです。
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フルカウントでの1番の根拠は「打たれてOK」か「フォアボールでOK」かです。
自チームが勝っていたり、下位打線だったりして、
打たれても問題ない状況ならど真ん中で問題ありません。
打席に調子の良いバッターで、次が調子の悪いバッターなら、
際どいボールを要求してフォアボールにするのもありです。
フルカウントでのリードはこちらで詳しく解説してます。
3球勝負
つぎの1つ目のキャッチャーのリード論の事例は3球勝負です。
バッターを2球で2ストライクと追い込んだとき、1球ボールにするのがセオリー化してます。
ただ、1球ボールにするのは勿体ないので「セオリー」だからといって外すのではなく、
考えた結果、ボール球にしたという流れにしたいですね。
3球勝負するか1球外すのかの判断基準は、バッターの様子が1番の根拠になります。
バッターが追い込まれてるのに余裕を持ってるなら、
セオリー通りに外してくると思ってるので3球勝負したいですね。
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3球勝負で打たれたら勿体ないですからね。
3球勝負のリードはこちらで詳しく解説してます。
ランナー2塁で打席には3番バッター
3つ目のキャッチャーのリード論の事例は、ランナー2塁で打席には3番バッターです。
このケースでのバッターのセオリーは右打ちになります。
1アウトでランナー3塁にすれば犠牲フライや単打で得点できますし、
2アウトでランナー3塁でも単打やパスボールで1点取れますからね。
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1失点しても問題ないならバッターに右打ちしてもらって、
1アウトを確実にとったほうが有利になりますし、
逆に1失点もできない状況なら右打ちさせないように、
右バッターならインコース、左バッターならアウトコースを使いたいですね。
ランナー2塁で打席には3番バッターのリードはこちらで詳しく解説してます。
緩急の使い方
つづいてのキャッチャーのリード論の事例は、緩急の使い方です。
緩急を活かしたリードは、その名の通り、速さと遅さのギャップがポイントになります。
相手バッターの体感スピードをストレートにさせておいて変化球、
逆に変化球にさせておいてストレートを要求するから活きてくるんですよね。
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ストレートに合わせてたら変化球、変化球に合わせてたらストレート。
ストレートと変化球の両方に対応できるようにタイミングを取ってたら、
どちらかの球種をしつこく続けて、タイミングを寄せてもらいましょう。
ピッチングの緩急の使い方はこちらで解説してます。
高めの使い方
最後5つ目のキャッチャーのリード論の事例は高めの使い方です。
高めのボールを使う目的は、主にこの4つになります。
空振りを狙う
内野フライを狙う
バッターの狙い球を探る
バッターの目線を変える
これらを狙いたいときに高めのボールは効果的ですが、
少しでも甘くなれば長打を打たれたり、見逃されれば普通にボール球です。
高めのボールを使うときの根拠は、打たれたとしても見送られたとしても、
バッテリー有利が変わらない状況かどうかになります。
高めのボール(ウエストボール)の使い方はこちらで詳しく解説してます。
キャッチャーはセオリーを勉強しよう
キャッチャーのリードについて解説しました。
キャッチャーのリードとはセオリー以外を根拠にした投球の組み立てです。
この5つがセオリー以外のリードの根拠になります。
ただ、これらを根拠にリードするには、セオリーを知ってるかどうかがポイントです。
1つでも多くセオリーを覚えて、リードに活かしたいですね。