「配球」と「リード」の違い

「配球とリードって、何が違うの?」

こんな風に思ってる方に向けて、
配球とリードの違いをキャッチャー歴15年の男が分かりやすく解説します。

小学生から大学生、
今の草野球でもキャッチャーしてます!

 

プロ野球では配球とリードは同じ意味で使われることが多いですが、
個人的には配球とリードは違うものだと思ってます。

「配球とリードは同じ論」と「配球とリードは別物論」のどちらが正解なのかではなく、
これは「配球とリードをどう定義してるのか?」の違いなんですよね。

本記事では私がキャッチャーを15年以上続けてきて気づいた配球とリードの違いを解説します。

配球とリードの違いがわかれば野球をより楽しめますし、
キャッチャーをやってる人なら今すぐにでも試合をしたくなります。

配球とは?

まずは配球を解説します。

配球とは「セオリーを軸にした投球の組み立て」だと思っています。

・オープンスタンスのバッターは、内角が苦手だから内角を攻める。

・0アウトランナー1塁なら、右打ちがセオリーだから内角を中心に組み立てる。

・1アウトランナー3塁なら、犠牲フライを狙う可能性が高いから低めに投げさせる。

これは一部です。
その他の配球論は別の記事でお話してます。

 

このようにバッターの特徴や試合の状況によって野球にはセオリーがあるので、
それを逆手にとって投球を組み立てるのが配球です。

キャッチャーが投球を組み立てるときには根拠が必要です。

「なぜこの球種なのか?」「どうしてアウトコースなのか」、
1球1球なぜ要求したのか根拠がなければキャッチャーとは言えません。

配球とは野球のセオリーから逆算してるので、常に根拠があります。

「犠牲フライでも1点だから、低めに要求しよう」
には根拠があるよね!

 

一方でリードについてはあとで詳しくお話しますが、
基本的には配球(セオリー)を無視した投球の組み立てになります。

なので、リードをするなら明確な根拠が必要なんですよね。

じゃあ、リードをする上でどのように根拠を作っていくのかというと、
相手バッターの情報相手監督の考え方などがベースになってきます。

たとえばセオリーではオープンスタンスのバッターならインコース攻めですが、
オープンスタンスのバッターでもインコースが得意なケースもありますよね。

それを知ってればセオリー通りの配球ではなく、リードをすべきなんですけど、
中学校や高校野球、大学野球などはプロ野球と違って相手チームの情報が少ないのが普通です。

つまり相手チームの情報が少ない場合には、
セオリーを逆手にとった配球しか投球を組み立てる根拠がありません。

試合中に情報を集められますが、
序盤はどうしても手探りになります。

 

なので、相手チームの情報がない状況では配球で投球を組み立てるしかないのです。

強いチームなら野球のセオリーを知ってるので、
それを逆手にとった配球で組み立てれば大量失点を防げます。

リードとは?

つづいてリードです。

リードとは「ケースバイケースで根拠のある投球の組み立て方」です。

配球は野球のセオリーを根拠とした投球の組み立てですが、
リードはセオリーを無視してケースバイケースで根拠を作っていきます。

では、何が投球を組み立てる根拠になるのか?

・ピッチャーの調子

・相手バッターの情報

・相手チームの監督の考え方

・風の強さや向き

これらがリードするときの根拠になってきます。

たとえば配球的な考え方ならインコースを攻めたいところだけど、
その日のピッチャーの調子によっては投げ切れない可能性はあります。

その場合、配球通りにインコースを要求して甘く入って打たれたり、
デッドボールを与えてしまうよりもアウトコースにしたほうがいいですよね。

ピッチャーの調子が悪くても、
インコースにいかないといけないケースもあります。

 

また、相手バッターの情報や相手チームの監督の考え方がわかってるなら、
配球通りに投球を組み立てるよりも、それをベースにしたリードのほうが有利です。

たとえばランナー1塁のケースでランナーの足が速いと分かっていれば、
盗塁を警戒するために右バッターのアウトコースを中心にしたリードができます。

一方で配球的な考え方で投球を組み立てるならランナー1塁で右バッターの場合、
セオリーは右打ちなのでインコースに要求することになります。

その結果、右バッターのインコースは二塁送球がしづらいので盗塁を許す可能性が高いんです。

ランナー3塁のケースでも具体例をお話しすると、
この場合のバッターのセオリーは犠牲フライを狙うことです。

フライで得点できるからね!

 

この場合の配球的な考え方は、犠牲フライを打たせないように低めに要求します。

それがもし相手監督が上位打線であろうとスクイズのサインを出す人なら、
配球的な投球の組み立てだと簡単にスクイズを決められてしまいますよね。

逆に相手監督の傾向を知っていて、それをベースにしたリードすれば、
上位打線でもスクイズを警戒しながら投球を組み立てることができます。

その結果、スクイズを決められることなく、バッターを抑えられる確率が上がるんです。

このようにリードとはセオリーをベースにした根拠ではなく、
ピッチャーの調子や相手バッターの情報、相手監督の考えを根拠にした投球のことです。

配球とリードの違い

それでは配球とリードの違いを解説します。

・配球:野球のセオリーを根拠にした投球の組み立て

・リード:ケースバイケースで根拠を作る投球の組み立て

このような違いはあります。

でも配球とリードはまったく違うものではなく、配球の上部分にリードがあるイメージになります。

【配球とリードの違い】

配球とリードの関係図

プロ野球のように相手バッターやチームの傾向などの情報が十分にあれば、
キャッチャーはケースバイケースで根拠のあるリードをできます。

逆に相手チームの情報がある場合には、もはや配球での投球の組み立ては無意味です。

でもアマチュア野球の場合、
相手の情報は十分にありませんよね。

 

なので基本的にはセオリーを根拠にした配球で投球を組み立て、
あとはその日の状況に合わせてリードしていきます。

たとえば初対戦のチームの場合なら1順目は配球で投球を組み立て、
2順目からは1巡目の情報をベースにリードで組み立てていくイメージです。

クローズドスタンスのバッターだから1順目はアウトコース中心にしたけど、
アウトコースのほうが得意そうだと感じたら2順目はインコースを中心にするとか、

ランナー1塁のケースで初球送りバントをしてきたら、
つぎに同じケースがあったらバントをしにくいボールを要求するなど。

こんな風に配球で相手の情報を収集しつつ、
そのあとにリードをしたほうがバッテリー有利にできますよね。

配球とリードには投球の組み立ての根拠では違いがありますが、
まったく別物ではなく、リードのベースが配球なのです!

プロ野球の配球は勉強にならない!

配球やリードの勉強をしようと、プロ野球の試合を見ることもあると思います。

でも、プロ野球の試合で配球の勉強はできません!

度々お伝えしてきましたが、アマチュア野球と違ってプロ野球には膨大なデータがあります。

・対戦バッターの苦手なコースや得意コース

・ケースバイケースでのバッターの考え方

・日々のバッターの調子

毎年毎年、ほとんど同じチームやバッターと対戦してるので、
各球団のキャッチャーは相手チームのほとんどの情報を持ってます。

つまり、配球ではなくリードがメインになってるんですよね。

なので配球を勉強しようと思ってもほとんどがリードなので参考にならないですし、
リードを勉強しようしても素人目ではピッチャーの調子やバッターの特徴はわかりません。

高次元すぎるからね!

 

つまり、プロ野球の投球の組み立ては、中学野球や高校野球では参考にならないんです。

リードや配球を勉強するなら自分よりも学年が少し上のキャッチャーか、
高校野球や大学野球、社会人の野球の試合のほうがおすすめです!

プロ野球選手のキャッチャーから学べることについてはこちらで解説してます。

違いが分かれば楽しくなる!

配球とリードの違いをお話しました。

・配球:野球のセオリーを根拠にした投球の組み立て

・リード:ケースバイケースで根拠を作る投球の組み立て

このような配球とリードの違いが分かれば野球を見るのが面白くなりますし、
キャッチャーなら野球の試合がもっともっと楽しくなります。

とくにリードには唯一無二の答え」なんてないですからね!

だからこそ思い通りの結果になったら楽しいですし、
逆にならなかったら考えることができます。

そんな経験ができるのが「キャッチャー冥利」だと僕は思います。

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