バッターを2球で2ストライクと追い込んだとき、
1球ボールで外すのがリードの定番です。

でも、ピッチャーからすると『1球外すなんて勿体無い』という意見もあります。

ピッチャーは1球1球を真剣に投げてるので、
無意味なボール球を投げるのは勿体無いと思うからです。

僕もこの意見には賛成です。

2球で2ストライクと追い込んだら1球ボールで外すのはリードの定番なので、
野球をやってる人なら誰もが知ってる考え方。

なので2球で2ストライクと追い込んだら、
バッターも『次はボールにするだろう』と予測できてしまいます。

そうなれば1球ボールで外すのは、ほんと無意味ですよね。

とはいえ、1球ボールで外すリードにまったく効果がないというわけではなく、
意味のあるボール球にすればバッターを打ち取れる可能性はあがります。

つまり、大切なのは『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断なんです。

本記事ではバッターを2球で2ストライクと追い込んだとき、
『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準をお話します。

ピッチャーの球数を減らしつつ、バッターを打ち取る可能性もあげる!

こんなリードをして、チームを勝利に導きましょう!

2球で2ストライクを取られたバッターの心理

まずは2球で2ストライクを取られたバッターの心理を考えてみましょう。

主に3パターンかなと思います。

それではもう少し解説します。

ただただ焦る

まず1つ目の心理状況は、ただただ焦るパターンです。

「2球でテンポ良く2ストライク取られてしまった、どうしよう…」

「やばい、バッテリーのリズムになってる。」

「見逃し三振だけはしたくないから、バットを振らなきゃ!」

このような心理状況ですね。

これは下位打線に当てはまるケースが多いです。

とくに2球見逃して2球ともストライクだったら、
ほとんどの下位バッターは精神的に追い込まれてるはずです。
(大学野球〜プロ野球なら下位打線でも焦ることは少ないです)

打席のなかで自分を客観視できてない状態になります。

ストライクゾーンを広めにする

つぎの心理状況は、ストライクゾーンを広めにするパターン。

「見逃し三振しないように、ストライクゾーンを少し広めにするか!」

このような心理状況です。

ただただ焦るパターンとの違いは、冷静さが残ってる点。

あくまでも気をつけるのは見逃し三振だけで、
明らかなボール球などには手を出してきません。

この心理状況は上位打線に多いですね。

2球で2ストライクと追い込まれても冷静になれるから、
チームの上位打線を任されてると考えてOKだと思います。

次の1球は外すだろうと予測する

最後3つ目の心理状況は、次の1球は外すだろうと予測するパターンです。

「3球勝負はしてこないだろう。」

「このバッタリーの頭の中に3球勝負はないな。」

「変化球のボール球で空振りを誘ってくるかな。」

このような心理状況です。

ストライクゾーンを広めにするパターンとの違いは、より冷静という点です。

ストライクゾーンを広めにするバッターは、
ストライクからボールになる変化球に手を出してくれる可能性は高いです。

でも、次の1球は外すだろうと予測する打者はバットが止まります。

この心理状況は1番バッターとクリーンナップに多いです。

2球で2ストライクと追い込まれてもヒットを打てたり、
平行カウントまで持ち直せるから打線の主軸を任されてるんだと思います。

2球で2ストライクで『1球外す』メリット・デメリット

『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準をお話しするまえに、
それぞれのメリットとデメリットを整理していきます。

まずは2球で2ストライクで『1球外す』メリットとデメリットからです。

メリット

2球で2ストライクで『1球外す』メリットは2つあります。

・ボール球を振ってくれる可能性がある。

・つぎのボールへの布石になる。

それぞれもう少し詳しく解説します。

ボール球を振ってくれる可能性がある

2球で2ストライクで『1球外す』とボールを振ってくれる可能性はあります。

2球で2ストライクと追い込まれたらバッターは多かれ少なかれ焦りますし、
見逃し三振をしないようにストライクゾーンを広げます。

焦ったバッターならボールの見極めを冷静にできないケースが多いですし、
ストライクゾーンを広めにしたバッターなら多少のボール球にも手を出すんですよね。

このようにボール球を振ってくれるケースがあるので、
空振りを誘ったり、打ち取ったりできる可能性が高くなります。

つぎのボールへの布石になる

2球で2ストライクで『1球外す』2つ目のメリットは、
つぎのボールへの布石になる部分です。

これは「どのコースにどんなボールで外すのか」がポイントになってきます。

たとえば変化球2球で2ストライクとバッターを追い込み、
次の投球をストレートでアウトコースギリギリのボール球にします。

このようなリードならバッターはストレートと変化球の両方を普通は待つので、
打ち取れる確率をグンっと上げられるんです。

こんな風に前の投球内容を考えて外すコースや球種を工夫すれば、
つぎのボールへの布石となり打者をアウトにできる確率は上がります。

デメリット

つづいて2球で2ストライクで『1球外す』デメリットも2つあります。

ピッチャーに負担がかかる。

つぎのボールを予測しやすくさせてしまう。

それではもう少し詳しく解説します。

ピッチャーに負担がかかる

1つ目の2球で2ストライクで『1球外す』デメリットは、
ピッチャーに負担がかかることです。

当然ですがピッチャーは機械ではないので、
1球また1球と投げるたびに疲労は溜まっていきます。

また、その疲労が怪我につながるリスクもありますよね。

つぎのボールを予測しやすくさせてしまう

2球で2ストライクで『1球外す』もう1つのデメリットは、
つぎのボールを予測しやすくさせてしまうことです。

これはメリットの逆パターンになります。

たとえば変化球2球で2ストライクとバッターを追い込み、
次の投球も変化球でアウトコースのボール球にします。

こうなった場合、配球としては厳しいです。

3球連続で変化球なので次はストレートを要求せざるを得ないですし、
裏をかいて変化球を要求しても3球続いてるので見極められる可能性は高いです。

2球で2ストライクで『3球勝負をする』メリット・デメリット

つづいて2球で2ストライクで『3球勝負をする』メリットとデメリットです。

メリット

2球で2ストライクで『3球勝負をする』メリットは2つあります。

ピッチャーの負担を減らせる。

バッターの意表を突ける。

それぞれもう少し詳しく解説します。

ピッチャーの負担を減らせる

2球で2ストライクで『3球勝負をする』1つ目のメリットは、
ピッチャーの負担を減らせる部分です。

3球勝負をすれば1人のバッターに対し3球で終わる可能性がありますが、
1球外すとなるとバッターに対して最低4球は投げる必要がありますよね。

わずか1球ですが、回を重ねるごとにボディーブローのようにダメージをピッチャーに与えます。

3球勝負をすれば1球少なくすむので、ピッチャーの負担を減らせます。

バッターの意表を突ける

つづいての『3球勝負をする』メリットは、バッターの意表を突けることです。

これは「つぎは1球ボールにするだろう」と思ってるバッターに当てはまります。

「2球で追い込んだし、次はボールにするでしょ。」と思ってるバッターは、
3球勝負されるイメージをほとんど持ってません。

そんなバッターに対してインコースのストレートや
ボールからストライクになる変化球などで3球勝負をすれば、ほぼ確実に意表をつけます。

デメリット

2球で2ストライクで『3球勝負をする』デメリットも2つです。

打たれたら精神的ダメージが大きい。

監督やコーチにグチグチ言われる。

それではもう少し詳しく解説します。

打たれたら精神的ダメージが大きい

『3球勝負をする』1つ目のデメリットは、打たれたら精神的ダメージが大きい点です。

2球で2ストライクとテンポよくバッターを追い込めたら、
バッテリー側が圧倒的に有利な展開になってます。

3球もボール球を使えますし、どんなバッターでも多少の焦りはあるからです。

ほぼ確実にバッターを打ち取れる状況なのに無理して3球勝負して打たれたら、
ピッチャーにとってもキャッチャーにとっても精神的ダメージは大きくなります。

せっかくテンポよく追い込めたのに…」と思ってしまうんですよね。

監督やコーチにグチグチ言われる

つづいての『3球勝負をする』デメリットは、監督やコーチにグチグチ言われる点です。

「2球で2ストライクと追い込んだのに、なんで打たれるんだ!」

「バッテリー有利な展開で打たれるのは、キャッチャーの責任。」

「3球勝負するなら確実に打ち取れよ!」

これは僕がキャッチャーを15年以上続けてきたなかで、
3球勝負をして出塁を許したときに監督やコーチに言われたことです。

このようにグチグチ言われるくらいならいいですが、
最悪な場合だと途中交代を命じられるケースもあります。

『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準

それでは『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準です。

この3つのポイントで考えて、『3球勝負をする』か『1球外す』か判断しましょう!

バッターの様子

まずはバッターの様子を観察します。

ポイントは「バッターの気持ちに余裕がありそうかどうか」です。

2球で2ストライクと追い込まれてバットに力が入ってたり、
顔に緊張感があったり、周りが見えてなかったり。

逆に2球で2ストライクと追い込まれてもリラックスしてたり、
一息入れたり、笑ってたり、軽く素振りをしたりと。

このようにバッターの気持ちに余裕がありそうか観察します。

余裕がなさそうなバッター:1球外す

余裕がありそうなバッター:3球勝負 or 1球外す

バッターの様子だけで判断するなら、このイメージです。

余裕のなさそうなバッターならボール球でも振ってくれる可能性が高いので、
もうストライクボールを要求する必要はありません。

ストライクゾーンからボールになる変化球を使って、
打ち取りましょう!

 

逆に余裕がありそうなバッターなら3球勝負はありです。

とくに「次は1球ボールにしそうだな」と思ってそうなバッターなら、
思いっきりインコースのストレートを要求して、見逃し三振を奪りましょう!

試合の状況

つづいてが試合の状況です。

試合の状況のポイントは「打たれてもOKかどうか」になります。

負けてる or 点差が少ない:1球外す

点差がある:3球勝負 or 1球外す

こう着状態:3球勝負 or 1球外す

「負けてる or 点差が少ない」状況なら無理して3球勝負するのではなく、
ボール球をうまく使って打ち取れる確率の高いリードをしたほうがいいですね。

逆に「点差がある」状況なら打たれてもOKなので3球勝負してもOKです。

判断が難しいのは、こう着状態の試合。

 

お互いのチームが得点できてなかったり、試合の流れが行ったり来たりしてたり、
このような試合展開だと1プレーが勝敗を決める可能性が高いです。

ただ、3球勝負してバッターが見逃し三振をすれば自チームに流れがきたりします。

なので判断がとても難しいのですが、
あとはバッターの様子とかその日のピッチャーの調子で判断しましょう!

『打たれてもOKなケースなら3球勝負はあり、
打たれたらNGなケースは1球外して高確率で打ち取れるリードをする。』

これが試合展開での判断基準です。

ピッチャーの調子

3つ目の『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準は、ピッチャーの調子です。

ポイントは「調子の良し悪し」です。

ピッチャーの調子が悪い:1球外す

ピッチャーの調子が良い:3球勝負 or 1球外す

ピッチャーの調子が悪い日なら1球外して、
丁寧にリードを組み立てたほうがいいですね。

3球勝負をして、打ち取れなかったら精神的ダメージが大きいですし、
監督やコーチからグチグチ言われてしまいますからね。

逆にピッチャーの調子が良かったり、ノリに乗ってるときなら3球勝負はありです。

無駄な1球をピッチャーに投げさせて調子を崩させたら最悪ですし、
良い流れのときはそれを活かすに越したことはありません。

「バッターの様子」「試合の状況」「ピッチャーの調子」、
この3つを『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準にしましょう!

 

キャッチャーのリードの基本はこちらで解説してます。

カウントは関係なくすべて同じ1球でもある

2球で2ストライクと追い込んで『3球勝負をする』か『1球外す』かの判断基準をお話しました。

『3球勝負』にも『1球外す』にも、それぞれメリットとデメリットがあります。

バッターの様子

試合の状況

ピッチャーの調子

これらを判断基準に『3球勝負をする』か『1球外す』か決めたほうがいいですね。

またカウントは関係なく、すべて同じ1球でもあります。

初球を打たれるのも3球勝負で打たれるのも、
バッター有利なカウントで打たれるのも1球には違いありませんよね。

また、1球外したとしても次のボールを打たれる可能性だってあるわけです。

どれも同じ1球なので勝算があるなら、どんどん3球勝負しましょう!

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