「バッターの狙い球の判断方法を知りたい!」
こんな風に思ってる方に向けて、打者の絞り球を判断する方法をお話します。
キャッチャーがリードを組み立てるうえで、
バッターがどんなボールを待ってるのか仮説を立てることは重要です。
打者の狙い球を予想しないでサインを出して打ち取れても、それはまぐれですし、
そもそもバッターのことを考えてないリードなどリードではありません。
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とはいえ、バッターの狙い球は簡単に判断できませんし、
天才的な打者なら絞り球がわかってても打たれるケースはあります。
本記事ではバッターの狙い球のパターンや判断方法、
そして打者の絞り球を分析できたときのリードについてお話します。
ポイントは、ファールの仕方です。
コンテンツ
バッターの狙い球のパターン
まずはバッターの狙い球のパターンです。
「来た球を打つ」天才的なバッターには絞り球はありませんが、大抵のバッターはあります。
主にこの4パターンでバッターは絞り球を決めてます。
球種で絞る
1つ目のバッターの狙い球パターンは球種です。
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このタイプの打者の絞り球は「ストレート待ち」か「変化球待ち」になります。
球種が多い場合には注意が必要です。
たとえばストレートと10種類の変化球があるなら、
バッターは1つの球種だけを狙うことはまずありません。
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このようなピッチャーならバッターは特定の変化球だけを狙うのは確率が下がるので、
曲がる系や落ちる系、大体同じスピード系の変化球で待ってる場合が多いです。
打者が1球種にしか絞ってないという先入観はなくしましょう。
コースで絞る
つぎのバッターの狙い球パターンはコースです。
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たとえば0アウトや1アウトでランナー1塁のケースです。
打者はランナーを最低でも進塁させたいので、
カウントが悪くなるまでは右方向に打ちやすいコースを待ってます。
試合の状況や相手ベンチの掛け声で判断します
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もちろん、球種関係なく得意なコースに絞ってるバッターもいます。
このタイプの打者は狙ってないコースなら甘めのストライクでも見逃し、
狙ってるコースなら多少のボール球でもどんどん手を出してきます。
高さで絞る
3つ目のバッターの狙い球パターンは高さです。
高めのストレート
すっぽ抜けの変化球
低めのボール
ハイボールヒッターやローボールヒッターは、
球種は関係なくボールの高さで狙い球を決めてます。
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また、犠牲フライで得点できるときにも高めのボールを待ってる打者は多いです。
高めのボール(ウエストボール)の使い方はこちらで詳しく解説してます。
変化球待ちでストレートに対応する
最後4つ目のバッターの狙い球パターンは変化球待ちのストレート対応です。
カウントが悪くなったら、変化待ちのストレート対応をしてくるバッターは多いです。
変化球に標準を合わせています
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このタイプの打者はボールを捉えるポイントを身体の近く(手前)にしてます。
最初から変化球待ちでストレート対応してくるバッターもいますが、
天才系打者かピッチャーのどんなボールでも対応できる確信のあるバッターです。
正直な話、このような天才バッターたちはリードではどうなる話でもありません。
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ピッチングの緩急の使い方はこちらで解説してます。
バッターの狙い球の判断方法
それではバッターの狙い球の判断方法です。
打者の絞り球はファールの仕方が1つのポイントになります。
この4つのポイントでバッターのファールの打ち方を観察すれば、
打者がどんなボールを狙ってるのか、仮説は立ちます。
スイングの体勢
1つ目のバッターの狙い球の判断方法はバッターがファールを打った姿勢です。
観察ポイントは3つ。
泳がされているか?
ベストスイングだったか?
詰まってないか?
体勢を泳がされながらのファールなら遅いボールや変化球は頭になかったはずですし、
詰まったファールならストレートを待っていなかった可能性は高いです。
打ち損じの可能性が高くなります
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三塁線ギリギリのファールやライトポールに当たりそうだったファール、
真後ろへのファールなどはバッターの狙い球だった可能性は高いです。
スイングの強さ
つづいてのバッターの狙い球の判断方法はファールを打ったときのスイングの強さです。
絞り球ではなくてもタイミングを合わせるためにバットを振ってくる打者もいるので、
スイングの強さにも注目します。
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狙ってたならスイングは強くなります
バッターを追い込んだときもスイングの強さを観察するのがおすすめです。
変化球を狙ってるならストレートがきたときに軽く当てるスイングになったり、
ストレート待ちで変化球がきたら泳いだり踏ん張ったりしたスイングになります。
スイングの強弱を観察するのもバッターの絞り球を判断するうえでポイントです。
打ったポイント
3つ目のバッターの狙い球の判断方法はファールを打ったポイントです。
打者1巡目は各打者のヒッティングポイントを把握して、
それをバッターの基準のヒッティングポイントにします。
このくらいでOKです
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そして2巡目から1球1球打つポイントを観察して、
どんなボールを待ってるのか仮説を立てていきます。
打つポイントが前寄りのバッターがストレートに振り遅れてるなら待ってませんし、
変化球を打ったポイントが更に前になってるなら、変化球は待ってないです。
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すべて逆の反応になるよ
打つポイントがさらに身体の近くになってるならストレートは待ってませんし、
打つポイントが前寄りになったなら変化球は待ってません。
1順目のヒッティングポイントを基準にして、
2順目からバッターの打つポイントを観察すれば絞り球は分かってきます。
ファールの方向
最後4つ目のバッターの狙い球の判断方法はファールの方向です。
重要な観察ポイントになります。
この3つのファールの方向を見て、バッターの狙い球の仮説をしていきます。
引っ張り方向のファール
まずは引っ張りのファールから考えられるバッターの絞り球です。
ストレートを引っ張ったファールならストレート待ちの可能性は高いです。
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変化球を引っ張ったファールなら打球の強さを確認します。
打球が速かったなら変化球を待っていた可能性が高いですし、
ストレート待ちで変化球に対応してるバッターかもしれません。
逆に泳がされながらの弱い打球だったり、打つポイントが前になってたり、
フラフラ〜と上がったファールなら、ストレートを待ってる可能性は高いです。
流し方向のファール
つづいて流し方向のファールで考えられるバッターの狙い球です。
変化球を流したファールにしたなら、変化球待ちの可能性は高くなります。
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ストレートを流してファールにしたなら、スイングの強さや打った体勢をチェックします。
当てにいったようなスイングなら変化球待ちのストレート対応ですし、
ベストスイングなら振り遅れただけなので、ストレート待ちの可能性は高いです。
真後ろのファール
最後に真後ろのファールで考えられるバッターの狙い球です。
ストレートでも変化球でもキャッチャーの後側にファールが飛んだなら、
その球種を待ってる可能性は高くなります。
センター方向に打球が飛んでます
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ただ、真後ろのファールでも打球の強さだけはチェックします。
ライナー性で真後ろ方向に飛んだファールなら狙い球の可能性は高いです。
でも弱いフライやバットにかろうじて当てた真後ろのファールなら、
その球種に絞っていない可能性は高くなります。
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狙ってない可能性は高いよ
バッターのファールには色々な情報が詰まってるので、
色んな角度から観察して打者が何を狙っているのか仮説を考えましょう!
リードするときのバッターの観察ポイントはこちらで解説してます。
バッターの絞り球を判断したときのリード
バッターの狙い球を判断してからがキャッチャーのリードの面白いところです。
絞り球を外す
同じ球を要求する
この2つしか選択はないんですけど、これが実に面白いんです。
バッターによって鋭い当たりのファールを打ったら狙い球を変えたり、
追い込まれるまでは同じ球を待ってたり、追い込まれたら待ち方を変えたりします。
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この辺りはファールを打ったあとのバッターの顔を見たり、
仕草を観察したりして、どのタイプのバッターなのか考えてみるといいですね。
正解はないですが、根拠を持ってリードをしましょう!
それができるようになれば、もっとリードが楽しくなります。
野球のリードはこちらで詳しく解説してます。
ファールには情報がたくさんある
バッターの絞り球の判断方法をお話しました。
打者の狙い球の仮説を立てるときにポイントになるのがファールの仕方です。
この4つのポイントで打者のファールを観察すれば、
バッターが何を待ってるのかがわかってきます。
ファールにはバッターの情報がたくさん詰まってるので、
いろんな着眼点を持って分析したいですね。