「FAの人的補償のルールって、どうなってるの?」
こんな疑問を持っている方に向けて野球歴28年がFAの人的補償のルールをわかりやすく解説します。
FA宣言した選手が別の球団に移籍した場合に、
元の球団が移籍先の球団に「選手と金銭」あるいは「金銭のみ」を要求できます。
「選手と金銭」の「選手」をFAの人的補償と言っています。
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FAした選手のランクで金銭が変わってきますし、
FAした選手の人的補償に指定された選手の拒否権も複雑です。
そこで本記事ではFAの人的補償のルール、ランク条件や選手の拒否権について解説していきます。
FAの人的補償のルール
FAの人的補償のルールです。
FAした選手が移籍した場合、元の球団には「人的補償」「金銭保障」の2つの補償が発生します。
この補償内容は選手のランクによって変わるんです。
それでは1つずつ解説します。
Aランク選手
Aランク選手の場合は人的補償と金銭補償の両方を要求できます。
・人的補償:プロテクト外の選手1名
・金銭補償:移籍した選手の旧年俸の50%
つまり、移籍した選手の年俸半分と新たな選手1名を獲得できるです。
人的補償を要求しない場合には、移籍した選手の旧年俸の80%を要求できます。
プロ野球「トレード」「FA」「人的補償」の違いはこちらで解説しています。
Bランク選手
つぎにBランク選手の場合です。
・人的補償:プロテクト外の選手1名
・金銭補償:移籍した選手の旧年俸の40%
Aランクの選手よりも金銭が10%減りますが、金銭と新たな選手1名を獲得できます。
人的補償を要求しない場合は、移籍した選手の旧年俸の60%を要求できます。
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Cランク選手
最後にCランクの選手です。
・人的補償:なし
・金銭補償:なし
Cランクの選手がFA移籍した場合には、元の球団は何も貰えません。
つまり、人的補償はAランクとBランクのみ発生するルールになってます。
リクエスト制度についてはこちらで解説してます。
人的補償のランク条件
つづいて人的補償のランク条件です。
人的補償と金銭補償はFAで移籍する選手の条件で決まります。
・Aランク:在籍していたチームでの旧年俸が日本人選手のなかで上位3位以内
・Bランク:在籍していたチームでの旧年俸が日本人選手のなかで4位~10位
・Cランク:在籍していたチームでの旧年俸が日本人選手のなかで11位以下
このような条件で選手のランクは決まります。
ポイントは「日本人選手のなかで」です。
たとえば1位に日本人選手、2位に外国人選手、3位に日本人選手、4位に日本人選手だった場合、
4位の日本人選手もAランクになります。
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この条件で選手のランクが決まり、人的補償と金銭補償が決まります。
現役ドラフトの仕組みはこちらで解説してます。
人的補償の対象になる選手
つづいて人的補償の対象になる選手です。
FAで選手が去った球団は誰でも人的補償で獲得できるわけではありません。
・プロテクトした28名の選手
・外国籍選手
・直近ドラフトで加入した新人選手
・育成選手
これ以外の選手が人的補償の対象です。
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Aランクの選手でもBランクの選手でも人的補償の対象になる選手は変わりません。
ですので誰をプロテクトするのかがポイントなのです。
プロテクトのルールはこちらで詳しく解説してます。
人的補償の選手の拒否権
最後に人的補償の対象になった選手の拒否権です。
人的補償で指名された選手に拒否権はあります。
しかし…
拒否したら資格停止選手になります。
資格停止選手は、資格停止が解除されるまでプロ野球での活動を再開できません。
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そして、よっぽどのことがない限り、資格停止が解除される可能性はないです。
つまり、人的補償での移籍を拒否した選手は事実上の解雇になります。
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FAの仕組みはこちらで解説してます。
人的補償の必要性
FAの人的補償のルールについて解説しました。
FAで移籍した選手のランクによって補償は変わります。
しかし、AランクであってもBランクであっても人的補償の内容は同じですし、
人的補償として獲得できる選手も自由に選べません。
その理由から「人的補償は必要ないのでは?」という声もあります。
個人的には人的補償はあってもいいんじゃないかと思います。
FAした選手のポジションが手薄になっていたら人的補償の選手にチャンスはありますし、
選手が必要ないなら金銭補償だけにすれば良い話です。
誰でも良いから選手が欲しい球団は滅多にないので人的補償は個人的には必要かなと思います。