日本シリーズが終了した翌日から始まるストーブリーグ。

そのなかでも毎年注目されるのがFA宣言する選手です。

各球団の看板選手や伏兵選手、
もう一花咲かせたい選手など色んな選手がFA宣言するよね。

 

そのなかで疑問になるのが『FA宣言して残留』と『FA宣言しないで残留』の違いです。

同じ残留なんだから何も変わらないように見えるんですけど、
実はFA宣言して残留とFA宣言しないで残留には大きな違いが1つあります。

また、選手側と球団側で受け取れるメリットも変わるんです!

プロ野球のFA権とは?

まずは簡単にプロ野球のFA権をおさらいしましょう!

FA権とは、所属する球団だけではなく他の球団とも交渉できる権利です。

国内FA権なら国内の球団のみ、
海外FA権なら国内+海外の球団と交渉できます。

 

ただ、どんな選手でもFA権を獲得できるわけではなく厳しい条件があります。

・国内FA権の取得:一軍登録日が累計1160日(8年)を超えた選手
※2008年以降に入団した大学生・社会人は累計1015日(7年)

・海外FA権の取得:一軍登録日が累計1305日(8年)を超えた選手

これらの条件をクリアした選手のみがFA宣言をできます。

FA権を取得できる選手は、
一流ってことだね!

FA宣言したらどうなる?

国内FA権・海外FA権の宣言をすると、他球団からオファーがあれば交渉できます。

選手にとってはより良い条件を選べるチャンスではあるんですけど、
実はチャンスだけではなく、リスクも背負ってるんですよね。

FA宣言した選手は所属球団がなくなります!

「◯◯球団の◯◯選手が他球団との交渉を始めました!」ではなく、
「◯◯選手が他球団との交渉を始めました!」になるんですよね。

オファーがなければ、当然クビになるリスクもあります。

 

新聞やテレビでは華やかそうに見えるFA宣言ですが、
選手たちは軽はずみでは宣言してないと分かりますよね。

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』は何が違う?

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の違いは、契約金が発生するかどうかです。

FA宣言すると一旦は球団に所属しないフリーの選手になります。

なので、FA宣言して残留なら所属球団から契約金を貰える可能性があって、
FA宣言しないで残留は今までの契約更新と何も変わらないんです。

(※契約金の支払いは選手と球団の話し合いで決まるので、義務ではありません)

また、1度FA宣言をしたら次にFA権を所得できるのが4年後、
FA宣言を使わなかったら次年度もFA権を持ってる状態になります。

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の選手側のメリット

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の選手側のメリットをそれぞれ解説します。

FA宣言して残留の選手側のメリット

①契約金をもらえる。

②他のチームの話を聞ける。

③所属球団と他球団で契約内容を競わせられる。

FA宣言しないで残留の選手側のメリット

①単年契約なら年俸を交渉できる。

FA宣言しないで残留する選手側のメリットはほとんどないですが、
単年契約なら所属球団はFA権がちらつくので年俸は高くなります。

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の球団側のメリット

つづいて『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の球団側のメリットです。

FA宣言して残留の球団側のメリット

①FA権を消費させられる。

FA宣言しないで残留の球団側のメリット

①複数契約なら流出の可能性を下げられる。

FA宣言して残留の球団側のメリットはほとんどないですが、
FA権を消費させられるので4年間はFAされずに済みます。

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』でわかる選手のチーム愛

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』から選手のチーム愛が分かります。

FA宣言しないで複数年契約で残留

FA宣言しないで単年契約で残留

FA宣言して単年契約で残留

FA宣言して複数年契約で残留

本当のところは選手にしか分かりませんが、
FA権の使い方である程度はチーム愛がわかってきます。

チーム愛が強い選手のFAの使い方

チーム愛が爆発してる選手のFA権の使い方は「FA宣言しないで複数年契約での残留」です。

球団側は契約金を支払わなくて良いですし、
他球団と契約内容(契約金や年俸、待遇など)を競争しないでいいですから。

また、複数年契約ならFA権を行使できる機会もありません。
(※複数年契約でも途中でFA権を使える契約内容なら話は別です)

FA宣言しないで複数年契約ならチームに骨を埋める覚悟が選手から感じられます。

 

プロ野球のプロテクトのルールはこちらで詳しく解説してます。

そこそこのチーム愛がある選手のFAの使い方

そこそこのチーム愛がある選手のFAの使い方は「FA宣言しないで単年契約での残留」です。

この場合も球団側は契約金を支払わなくて良いですし、
他球団との契約競争にも陥ることもありません。

ただ、単年契約なら次年度にFA権を行使できます。

FA権をちらつかせて年俸アップを狙ってたり、
今シーズンは成績が悪かったからFA権を行使しなかったりと。

選手側にはいろいろな考えがあるかもしれませんが、
FA宣言しないのはチーム愛がある証拠ではあります。

 

FAの人的補償のルールはこちらで解説してます。

チーム愛が読めない選手のFAの使い方

チーム愛が読めない選手のFAの使い方は「FA宣言して単年契約での残留」です。

これは滅多に考えられないケースなので、
チーム愛がどのくらいなのか本人にしかわかりません。

選手はFA宣言をしたら契約金のチャンスはありますが、
次の取得は4年後になりますし、次年に契約更新してもらえるか分かりませんから。

あえて単年契約にしたなら自分をとことん追い込みたいタイプか
引退が近いと考えてて契約金だけ貰っておこうと考えたのか。

こんな考えがあるんでしょうね!

プロ野球のエースナンバーはこちらで紹介してます。

チーム愛より自分の価値を高めたい選手のFAの使い方

チーム愛より自分の価値を高めたい選手のFAの使い方は「FA宣言して複数年契約での残留」です。

選手は契約金をもらえる可能性が高いですし、
他球団と契約内容を競わせられるので好条件を提示される可能性も高いです。

FA権を失うのでチームに骨を埋める覚悟は感じられますが、
FA権を行使しないで複数年契約のほうがチーム愛はありますよね。

FA宣言をして複数年契約ならFA権で好条件を勝ち取ろうとする意図のほうが強いと思います。

ただ!

他球団のほうが契約内容が良いのに残留したとなれば、
自分の価値を高めたいけどチーム愛もある選手なんだと思います。

そして、滅多にありませんが「他球団の話を聞かずにFA宣言して残留」はチーム愛は凄いです。

選手側はFA権を失うので交渉力は弱くなりますし、契約金も貰ってないのであれば、
チームに骨を埋める気概はFA宣言しないで複数年契約よりも強くあります。

現役ドラフトの仕組みはこちらで解説してます。

選手にとってFA権は交渉材料

『FA宣言して残留』と『宣言しないで残留』の違いを解説しました。

FA宣言して残留とFA宣言しないで残留には、
選手側と球団側それぞれでメリットとデメリットはあります。

ただ、いずれにせよFA権は選手の権利であり交渉材料なんですよね!

FA権を取得できるのは、第一線で長く活躍した選手だけです。

成績はもちろん、怪我をしながらも試合に出続けたり、
ファンサービスをしたりと所属球団や日本プロ野球に大きく貢献した選手です。

そんな選手だけがFA権を取得できるんです!

なので個人的には好きな選手がFA権をどう使おうとも応援したいと思ってます。

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