「キャッチャーはどのタイミングならヒザをついて構えていいの?」
「キャッチャーしてるんだけど、ヒザをついたら監督に怒られた…」
「キャッチャーがヒザをつけるなら、左?右?どっちがいいの?」
こんな風に思ってるかたにむけて、
キャッチャーがヒザをつけて構えるタイミングについて解説します。
キャッチャーは通常の構え方(両足を立てた構え方)だけではなく、
ヒザをついて構えたほうが都合のいい場面があります。
キャッチャーがヒザをつけて構えるタイミングは、
ヒザをつけた構え方のメリットを活かせるときなんですよね。
あまり褒められたものではないよ。
本記事ではキャッチャーのヒザをつけた構え方のメリット&デメリット、
キャッチャーがヒザをつけて構えるタイミングや逆に構えてはいけないケースをお話します。
キャッチャーのヒザをつけた構え方のメリットを把握し、
ピッチャーにとってもキャッチャー自身にとっても意味のある構え方をしましょう!
コンテンツ
キャッチャーが膝をついて構えるメリット
キャッチャーが膝をついて構えるメリットからお話します。
キャッチャーがヒザをつけて構えることで、この4つのメリットがあります。
キャッチャーミットを低く構えやすい
まず1つ目のキャッチャーが膝をついて構えるメリットは、
キャッチャーミットを低く構えやすいことです。
通常の構え方(両足を立てる構え方)では、
左ヒザが左腕の邪魔をして、キャッチャーミットを低く構えにくいですよね。
でも、左ヒザを地面につければ左腕の可動域が広がるので、
キャッチャーミットを低く構えやすくなります。
また、キャッチャーミットを低く構えることで、
ピッチャーにより低めの意識を強くもってもらえます。
左手を動かしやすい
つづいてのキャッチャーが膝をついて構えるメリットは、左手が動かしやすいことです。
この理由はキャッチャーミットを低く構えやすくなるのと同じで、
左手の動かしやすさは左ヒザの位置で決まります。
普通に左ヒザを立てて構えるよりも少し曲げたほうが左手を動かしやすしですし、
左ヒザをつけて構えれば、左腕を邪魔するものはなくなり、自由に動かせるんですよね。
その結果、通常の構え方よりもキャッチャーミットの操作性があがります。
守備範囲ならブロッキングしやすい
キャッチャーが膝をついて構える3つ目のメリットは、
守備範囲ならブロッキングしやすくなることです。
左ヒザをついた構え方は見方を変えると、半ブロッキング体勢になってますよね。
なので、ピッチャーの投げたボールが守備範囲内にこれば、
通常の構え方よりもショートバウンドを止めやすくなります。
ただ、あくまでも「守備範囲内なら」の話です。
疲れにくい
最後4つ目のキャッチャーが膝をついて構えるメリットは、キャッチャーが疲れにくいところです。
通常の構え方で疲れるという意識はないと思いますが、
実は両足首や足裏、そして太ももに結構な負担がかかってます。
集中的に負担がかかってるんですよね。
左ヒザをつけて構えれば地面につける足の面積が広がるので、
足首や足裏、太ももへの負担が少なくなり、疲れにくくなります。
キャッチャーが膝をついて構えるデメリット
つづいてキャッチャーのヒザをついた構え方のデメリットです。
キャッチャーのヒザをつけた構え方にはメリットもありますが、
この4つのデメリットもあります。
守備範囲が狭くなる
まず1つ目のキャッチャーが膝をついて構えるデメリットは、守備範囲が狭くなることです。
ヒザをついて構えると地面につけた左ヒザが固定された感じになり、
動ける範囲が狭くなったり、反応が遅れたりします。
たとえば「通常の構え方」と「ヒザをつけた構え方」でジャンプするとき、
通常の構え方のほうがスムーズに早くできますよね。
なので、ピッチャーがキャッチャーの構えたところよりも遠くに投球してしまったとき、
通常の構え方なら対応できるのに、ヒザをついてたら無理なケースもあるんですよね。
ヒザをついた構え方は守備範囲内のボールへの対応は抜群ですが、
守備範囲が狭くなってしまうデメリットもあります。
逆球に弱くなる
つぎキャッチャーが膝をついて構えるデメリットは、逆球に弱くなることです。
これも先ほどの守備範囲が狭くなる理由とほぼ同じなんですけど、
左膝をつけたら左側のボールは捕球しやすいですが、逆に右側のボールは捕りにくくなります。
なので右側に大きく外れたボールやワンバウンドが来た場合には、
常に強く意識しておかないと上手く対応できないんですよね。
キャッチャーのワンバウンド処理の基本はこちらで解説してます。
送球が遅くなる
3つ目のキャッチャーが膝をついて構えるデメリットは、送球が遅くなるです。
「ヒザをついない状態」と「ヒザをついてる状態」では、後者のほうが送球は早くなります。
スローイング動作に追加されますからね。
その1モーション分だけ送球モーションが遅くなるんです。
キャッチャーのスローイングの基本はこちらで解説してます。
ピッチャーの的が小さくなる
最後4つ目のキャッチャーが膝をついて構えるデメリットは、
ピッチャーの的が小さくなることです。
ヒザをつけて構えると立てていたヒザの分だけ低くなるので、
その分だけピッチャーの的としての役割も小さくなります。
なのでピッチャーのなかには「なるべくヒザをつかないで構えてほしい」、
こんな風に思ってる選手もいるくらいです。
キャッチャーの基本的な構え方はこちらで解説してます。
キャッチャーが膝をついて構えるタイミング
メリットとデメリットをふまえ、キャッチャーが膝をついて構えるタイミングをお話します。
キャッチャーがヒザをとついて構えるベストなタイミングは、
どうしても低めのボールが欲しい状況です。
打席に上位打線が入ってたり、ここは抑えたいピンチだったり、
打たれたくないバッターだったり、少しでも高くなると打たれるバッターだったり。
こんな風に相手バッターに打たれたくないケースで、
ピッチャーに低めを要求したいときにヒザをつけて構えるといいですね。
そうすれば通常の構え方よりもキャッチャーミットを低くできるので、
ピッチャーに低めの意識をより強く持ってもらうことができます。
「ここぞのインコース低め」「ドンズバのアウトコース低め」
このようなボールを欲しい場合には、キャッチャーはヒザをつけて構えましょう!
キャッチャーの膝をつけた構え方がNGなケース
逆にキャッチャーが膝をつけて構えたらNGなケースもあります。
試合状況によってケースバイケースにはなりますが、
この2つのケースなら基本的にキャッチャーはヒザをつけて構えないほうがいいですね。
ランナー1塁
キャッチャーの膝をついて構えるのがNGなケースの1つ目はランナー1塁です。
このケースは盗塁が考えられます。
ヒザをついて構えていたらスローイングがワンテンポ遅れてしまうので、
両足を立てた通常の構え方をしましょう!
膝をつかないほうがいいですね!
ランナーが1塁にいるのにヒザをつけて構えていると、
ドン臭いキャッチャーだと思われ、積極的に盗塁を狙われてしまいます。
ランナー3塁
2つ目のキャッチャーの膝をついて構えるのがNGなケースはランナー3塁です。
このケースはキャッチャーが後ろにボールを逸らせば1点です。
キャッチャーは死ぬ気で止めないといけないケースだよね!
ヒザをつけて構えると、どうしても守備範囲が狭くなり、
逆球にも弱くなるので、後ろにボールを逸らしてしまう可能性は高くなります。
ピッチャーに低めを意識してもらうよりも、1点を防ぐほうが大切です。
ランナー3塁でパスボールしたら得点されてしまうケースでは、
ヒザを地面につけず、両足を立てた通常の構え方をしましょう!
キャッチャーのヒザつけるなら左膝!
「キャッチャーでヒザをつけるなら、右ヒザと左ヒザ、どっちが良いのか?」
それぞれのスタイルにもよるとは思いますが、
キャッチャーがヒザをつけて構えるときは、通常は左ヒザを地面につけます。
左ヒザを地面につければ、キャッチャーミットの操作性があがるからです。
また、プロ野球のキャッチャーのほとんどが左膝をついて構えてますし、
古田敦也氏や谷繁元信氏などのレジェンドキャッチャーも左膝をつけてます。
これは右ヒザを地面につけて構えてもメリットが1つもないからです。
右ヒザを地面につければ右腕の操作性はあがりますが、
右腕の自由度があがったところで、キャッチングにメリットはありませんよね。
しかも、右膝をつけたら余計に逆球に弱くなってしまいます。
キャッチャーが膝をついて構えるときには、左膝にしましょう!
鈍臭いキャッチャーだと思われないように!
キャッチャーが膝(ヒザ)をついて構えるタイミングを解説しました。
【メリット】
キャッチャーミットを低く構えやすい
左手を動かしやすい
守備範囲内ならブロッキングしやすい
疲れにくい
【デメリット】
守備範囲が狭くなる
逆球に弱くなる
送球が遅くなる
ピッチャーの的が小さくなる
キャッチャーがヒザをつけて構えると、このようなメリット&デメリットがあります。
ヒザをつけた構え方のメリットが最大限に活かせるタイミング、
『どうしても低めのボールを要求したい場合』にキャッチャーはヒザをつけて構えるといいですね。
たまにメリット&デメリットを考えず、常にヒザをついて構えてるキャッチャーがいます。
「絶対にダメ!」ではありませんが、見る人が見れば鈍臭いキャッチャーだと思われ、
積極的に盗塁を狙われてしまう可能性があるので、無意識でヒザをつくのはやめましょう。
キャッチャーは1球1球の構え方にもこだわりたいですね!