プロ野球には選手が移籍する方法がいくつかあります。
トレード
FA
人的補償
この3つのルールが選手の移籍に関わるのですが、何がどう違うのか迷う方も多いです。
そこで本記事ではプロ野球の「トレード」「FA」「人的補償」の概要、
そして、それぞれの違いについて野球歴28年がわかりやすく解説していきます。
似ているようで、まったく違うのですぐに理解できると思います。
プロ野球の「トレード」とは?
まずはプロ野球のトレードです。
トレードの大きな特徴は、球団と球団の合意した後に選手が移籍します。
例えば…
ジャイアンツが楽天イーグルスに選手Aが欲しいとトレードを要求しても、
楽天イーグルスが渡したくないと主張した時点でトレード不成立になります。
そしてトレードには2種類あります。
選手同士のトレード
金銭のみのトレード
ですので先ほどの例で説明すると…
ジャイアンツは楽天イーグルスの選手Aを獲得するために、
自チームの選手をトレード要員にするのか、金銭を用意するのか。
楽天イーグルスにもメリットがあるような条件をジャイアンツは用意する必要があるんです。
そのためトレードが成立した時には、少し盛り上がります。
日本一をともに争うチーム同士のメリットが一致するのは年に何回もないですからね。
プロ野球の「FA」とは?
続いてプロ野球のFAです。
プロ野球のFAの特徴は、選手の意志だけで移籍できます。
国内FA権
海外FA権
この2つのFA権がありますが、誰でも取得できるわけではないです。
条件が細かいので割愛しますが、1軍で何年間も頑張ってきた選手がFA権を取得できます。
ちなみに国内FA権はNPBの球団と契約できる権利、海外FA権は海外のチームと契約できる権利です。
ただ、どこのチームでも移籍できるわけではありません。
FA権を使ったときに獲得したいと声をあげた球団にしか移籍できないのです。
つまり、FA権を使って他の11球団が獲得したいと言えば11球団の中から選べますが、
もし他の球団が動かなかった場合、移籍はできません。
プロ野球のFAとは1軍で頑張ってきた選手に与えられる球団移籍の自由チケットですが、
選手によっては自由チケットにはなり得ないルールなんです。
FAの仕組みはこちらで詳しく解説してます。
プロ野球の「人的補償」とは?
つぎにプロ野球の人的補償です。
人的補償の特徴は、FAで選手を失った球団がFA選手が入団した球団から選手を獲得できます。
たとえば中日の選手がFAしてソフトバンクに移籍した場合、
中日はソフトバンクから人的補償として選手を1人獲得できるんです。
人的補償として指名された選手に拒否権はなく、強制的な移籍になります。
ちなみにすべてのFAで人的補償が発生するわけではありません。
選手のランクがCであれば人的補償は発生しないので、
人的補償に指名された選手の強制的な移籍もないんです。
FAの人的補償のルールはこちらで詳しく解説してます。
プロ野球「トレード」「FA」「人的補償」の違い
それではプロ野球の「トレード」「FA」「人的補償」の違いです。
トレード:球団同士が合意をした選手の交換
FA:一軍で頑張ってきた選手が獲得できる自由移籍の権利
人的補償:FAの補償として指名された選手は強制移籍
このような違いがあります。
選手側の視点で優劣を考えるなら「FA→トレード→人的補償」です。
FAは誰もが獲得できる権利ではありませんが、
1軍で頑張ってFA宣言をすれば自分の好きな球団に行ける可能性があります。
トレードは自分の意志での移籍ではありませんが、
球団が合意してるということは移籍先の球団に求められてるので決して悪い話ではないです。
選手にとっては一番ツラいのは人的補償。
人的補償もFAで選手を失った球団が選手を指名できる制度なので、
必要とされた選手というのは間違いありません。
しかし、FAやトレードと比べると必要性はかなり低いです。
選手目線でトレードとFAと人的補償の違いをまとめます。
トレード:球団主導の移籍だけど移籍球団から必要とされている
FA:選手主導で移籍できて、移籍する球団にも必要とされている
人的補償:球団主導の移籍で移籍球団からもそこまで必要とされていない
このような違いがあります。
プロテクトのルールはこちらで詳しく解説してます。
同じ移籍だけどモチベーションが違う
プロ野球「トレード」「FA」「人的補償」の違いをわかりやすく解説しました。
「トレード」「FA」「人的補償」は、いずれも移籍です。
ですが、選手からすれば同じ移籍でもモチベーションがまったく変わります。
FAは自分の意志で自由に移籍できるので、これ以上にない移籍方法ですが、
人的補償は自分の意志はなく、移籍先球団にもそこまで必要とされてない移籍方法です。
トレードはお互いの球団が求めている選手なので、
選手の気持ちが上手く切り替われば決して悪くはない移籍方法になります。
同じ移籍ですが選手のモチベーションは変わるので、選手たちの動きには注目です。