「ピッチャーにリードの意図がイマイチ伝わっていない…。」

ボール球で良かったのに、ストライクだった。

厳し目のボールが欲しかったのに、甘めのボールが来てしまった。

この原因は日頃のコミュニケーションの問題もありますが、
それ以外の理由のほうが実は大きいんですよね。

ピッチャーはキャッチャーからの球種サインや構えから、リードの意図を感じ取ろうとしてます。

でも、「球種サイン」と「構え」だけでリードの意図は十分に伝わらないんですよね。

ピッチャーは無駄なボールを投げたくないので、
常にストライクを狙っています。

 

そんな心理状況なのに球種と構えだけで「ボール球にしてほしい」とか、
「厳しいコースに投げてほしい」とかまでは伝わらないのです。

つまり、リードの意図がピッチャーに伝わらないのはキャッチャーの伝え方に問題があります。

キャッチャーは声とジャスチャーも使ってピッチャーにリードの意図を伝え、
バッターを打ち取れるボールを要求しましょう!

「サイン」と「構え」だけでリードの意図は伝わらない

キャッチャーが「球種サイン」と「構え」さえすれば、
ピッチャーはどの球種をどこに投げれば良いのかわかります。

でも、どんな風にそのボールを投げたら良いのかまでは伝わらないんです。

たとえばアウトコースのストレートでも、

ボールでもOK

ストライク先行

決め球だから厳しく

こんな風に同じ球種とコースでも打順やカウント、
試合の状況によって意味合いが変わります。

キャッチャーはケースバイケースで同じ球種とコースでも違うボールが欲しいと思ってますが、
ピッチャーは基本的にストライクが欲しいんですよね。

ボール球を投げたくないからね。

 

なのでキャッチャーから出すサインや構える位置が同じなら、
ピッチャーはアウトコースのストライクゾーンにストライクを投げ込みます。

球種サインと構えだけでは「外してほしい」とか「厳しいボールにしてほしい」など、
この辺りのリードの意図はまったく伝わってないんです。

これはキャッチャーの伝え方に問題があります。

キャッチャーはピッチャーにリードの意図を伝えたいのなら、
球種のサインと構えだけでなく、ジェスチャーと声も使わないといけないのです。

ピッチャーにリードの意図を伝えるジェスチャー

それではピッチャーにリードの意図を伝えるジェスチャーをお話します。

この5つのジェスチャーは僕がキャッチャーをするなかで、
ピッチャーにリードの意図がちゃんと伝わったものです。

ピッチャーにリードの意図を伝えるために、ぜひ試してみてください。

右手を上から下に振りおろす

1つ目のジェスチャーは「右手を上から下に振りおろす」動作です。

右手でボールを投げるように上から下に振り下ろせば、
ピッチャーに「思い切って投げろ!」と伝えられます。

これは定番だね!

 

勝負球や打たれなくない場面、ピッチャーが弱気になりそうな場面で使いましょう!

ただ、あまりにやりすぎると効果が薄れてしまうので、
「ここぞ!」の場面で右手を振るといいですね。

キャッチャーミットを地面スレスレで構える

つづいてのジェスチャーは「キャッチャーミットを地面スレスレで構える」です。

キャッチャーミットを地面に着くか着かないかくらいで構えれば、
ピッチャーに低めを意識させることができます。

「今日は基本的にボールが高いな…」

「とにかく低めでゴロを打たせたい」

「このバッターなら低めのボール球でも振ってくる」

こんなケースなら、キャッチャーミットを地面スレスレで構えましょう!

右手を地面に付けたり下げたりするジェスチャーも合わせて使うと、
ピッチャーに低めの意識がより伝わります。

キャッチャーミットを地面につける

3つ目のジェスチャーは「キャッチャーミットを地面につける」動作です。

先ほどの地面スレスレで構えるジェスチャーとの違いは、
ワンバウンドでもOKだとピッチャーに伝えられる部分になります。

変化球を振らせたい場合

バッターの意識を変化球に持っていきたい場合

このようにワンバウンドのボール球をバッターに振らせたいケースや
ワンバウンドの変化球でバッターの意識を変化球に持っていきたいときに使うジェスチャーですね。

キャッチャーミットを地面につけるのがイヤなら、
右手で地面を叩くでもいいですね!

 

もちろん「ワンバウンドOK!」のジェスチャーをしたなら、ちゃんと止めましょう!

キャッチャーのワンバウンド処理(ブロッキング)はこちらで解説してます。

胸をたたく

つぎのジェスチャーは「胸をたたく」です。

ピッチャーが投げる前にプロテクター部分を右手でバンバンと叩けば、
ピッチャーにバッターの胸元に厳しく投げてほしいと伝えられます。

インコースの時に使うイメージだね!

 

コースを投げ分けられるピッチャーなら必要のないジェスチャーですが、
相当コントロールが良くない限り、どうしてもインコースは甘めになることが多いです。

デットボールが怖いですからね、普通は。

 

ただ、バッターが1番強振できるのもインコースになります。

インコースの甘いボールにならないように、ピッチャーのインコースへの恐怖心を取り除くために、
キャッチャーはバンバンと胸を叩いて、ピッチャーに勇気を持たせましょう!

キャッチャーミットでボールの軌道を描く

最後5つ目のジェスチャーは「キャッチャーミットでボールの軌道を描く」動作です。

キャッチャーミットを使ってボールの軌道をジェスチャーすることで、
どのようなイメージで投げれば良いのかをピッチャーに伝えられます。

ストライクゾーンからストライクゾーンへの変化球

ボールゾーンからストライクゾーンへの変化球

ストライクゾーンからボールゾーンへの変化球

変化球のサインだけでも3パターンの軌道があるので、
キャッチャーミットでジェスチャーした方がピッチャーもわかりやすいですよね。

あまりにも大きくやりすぎると
バッターに気づかれるので注意してください。

 

ただ稀にキャッチャーを見てくるバッターがいるので、そこは気をつけましょう!

キャッチャーをチラ見するバッターへの対処法は下記記事で解説してます。

ピッチャーにリードの意図を伝える声

ピッチャーにリードの意図を伝える声を紹介します。

「ズバッと行こう」(※胸元へのボール)

「ローボール意識で!」

「腕を振っていこう!」

「身体で止めるから」(※ワンバウンドでもOKの場合)

「ゴロ打たせよう!ゲッツー取ろう!」(※低めのボール)

「バッター優先で!」(※ストライク先行する)

「振らせよう!」(※ボール球の変化球)

こんな感じですかね!

ただ、人によって言葉の捉え方、伝わり方が違ったりするので、
事前にピッチャーと打ち合わせしておくのをおすすめします。

「この言葉をかけた時は、この意識を持って投げて」
みたいな感じです。

リードは共有するから意味がある!

ピッチャーにリードの意図を伝えられるジェスチャーとかけ声の種類を紹介しました。

右手を上から下に振り下ろす(投げる動作)

キャッチャーミットを地面スレスレで構える

キャッチャーミットを地面につける

胸をたたく

キャッチャーミットでボールの起動を描く

この5つのジェスチャーは僕が15年以上のキャッチャー生活のなかで、
ピッチャーに伝わったものなので、ぜひ試してみてください。

あとは、ジェスチャーと合わせて上手く声もかけましょう!

キャッチャーの頭の中に理想的なリードがあっても何も意味はなく、
ピッチャーが実現してくれて、初めて意味のあるリードになります。

リードはピッチャーと共有するから意味があるんです!

リードの意図を共有するために、ジェスチャーと声も上手く使いましょう!

ピッチャーが投げられないのはしょうがないですが、
リードの意図はキャッチャーが工夫すれば伝えられます。

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