バッター有利なカウントで変化球を要求するケースがあります。
これはバッターの裏をかくのが目的なのですが、
それ以外にも大切な意味があるんですよね。
今回はその意味を解説しながら、
バッター有利なカウントで変化球を要求するケースをお話します。
『打たれてもOKの状況なのか、打たれたらNGの状況なのか。』
バッター有利なカウントで変化球を要求するときのポイントはここです。
バッター心理を理解して意表をつきつつ、
最小失点に抑えるリードをしていきましょう!
(※試合の細かい状況によって変わるので、あくまでも基本として受け取ってください)
コンテンツ
バッター有利なカウントとは?
バッター有利なカウントとは、ストライクよりもボールが先行してるカウントです。
1ボール、0ストライク
2ボール、0ストライク
2ボール、1ストライク
3ボール、0ストライク
3ボール、1ストライク
このようにボールが先行してるカウントをバッター有利なカウントと言います。
『次の投球でストライクを取らないとバッテーリー側がより不利になる』
バッター有利なカウントとは、このような状況ってことですね!
打者がバッター有利なカウントで狙ってる球種
ピッチャーが次の投球でストライクを取らない不利になるケースで、
バッターが狙ってる球種ってなんだと思いますか?
プロ野球や社会人野球だと対戦データが多いので一概には言えませんが、
アマチュアの場合だったら80%くらいの打者はストレートを狙ってます。
これは「自分がバッターなら?」をイメージすると納得できますよね。
よっぽど変化球が曲がってないとか、打ちやすいとかではない限り、
今まで打つのを1番練習してきたストレートを待ちます。
また、ピッチャーがストレートを投げてるのにボールが先行してたり、
変化球でカウントを整えられないなら尚更です。
だからこそ、バッター有利なカウントで変化球を要求する意味があります。
打者はストレートを待ってるので甘い変化球でも見逃したり、
ストレートのタイミングでスイングをして空振りをしたりする可能性が高いですからね。
バッター有利なカウントで変化球を要求する意味
バッター有利なカウントで変化球を要求するのは、
バッターの裏をかいてストライクを取るだけではありません。
本当の意味は「バッターを混乱させるため」です。
バッター有利なカウントで毎回ストレートを要求したら、どうなると思いますか?
ストレートを狙われてヒットを打たれる可能性が高くなったり、
最悪な場合、ホームランを打たれたりします。
でもバッター有利なカウントで変化球を要求したら、状況は変わります。
バッター心理からすると「バッター有利なカウントでも変化球がきた」、
「ひょっとしたら次も変化球かもしれない」と迷うはずです。
本当の意味です。
プロ野球のようにストレートにも変化球にも対応できる打者が多いなら意味ないですが、
アマチュアの場合なら狙い球に迷いが生まれるだけで打ち取れる確率はグンっと上がります。
『バッターを混乱させ、打ち取れる確率をあげる。』
これがバッター有利なカウントで変化球を要求する最大の意味です。
バッター有利なカウントで変化球を要求するケース
それではバッター有利なカウントで変化球を要求するケースを解説します。
細かい試合の状況によってケースバイケースにはなりますが、
上記のケースならバッター有利なカウントで変化球を要求したほうがいいですね。
ただ、どのケースでもそうですが、
バッター有利なカウントで変化球がくるとバレてたら意味がありません。
その辺りは試合のなかでバランスをうまくとって、相手チームにバレないようにしましょう!
ランナーがスコアリングポジションにいる場合
バッター有利なカウントで変化球を要求する1つ目のケースは、
ランナーがスコアリングポジションにいる場合です。
ランナー2塁やランナー2塁、3塁などランナーがスコアリングポジションにいて、
バッター有利なカウントなら変化球を要求します。
「得点のチャンス」「バッター有利なカウント」の2つの条件が揃っていたら、
バッターはストレートを待ってる可能性が高いからです。
上位打線だったら変化球を要求したほうがいいですね!
ただ、大差で自チームが勝ってたり下位打線だったりするなら、
無理して変化球を要求する必要はありません。
このようなケースならストライク先行でいきましょう!
点差が少ない場合
バッター有利なカウントで変化球を要求する2つ目のケースは、点差が少ない場合です。
ランナーが1塁以上にいて点差が少ないとか自チームが負けてるなら、
バッター有利なカウントで変化球を要求します。
このようなケースでストレートを要求して長打を打たれたら、
ピンチが拡大したり、下手をしたら得点を奪われたりします。
ただ下位打線だったり、バッターが変化球待ちしてたりしたら、
ストレートでどんどん押していくのもOKです。
この辺りはバッターの様子を見ながら、決めましょう!
長打のあるバッターの場合
バッター有利なカウントで変化球を要求する3つ目のケースは、
長打のあるバッターの場合です。
ランナーがいてもいなくても長打のあるバッターの場合、
バッター有利なカウントになったら変化球を要求します。
上位打線など長打のあるバッターは有利なカウントになったら、
ストレートを思いっきりスイングしてきます。
ただ、これは何度も通用しません。
上位打線なら変化球でも飛ばせる技術を持ってることが多いので、
バッター有利なカウントでは変化球がくるとバレてしまったら効果はないです。
長打のある上位打線の場合は、
打たせないというより頭を混乱させるのを最優先にしましょう!
つまり「バッター有利なカウントでも変化球がある」と思わせればOK!
そうすればバッターは「有利なカウントでも変化球があるかもしれない」となり、
ストレートを思いっきりスイングしてくる確率を下げられますからね。
長打のあるバッターの打席数は1試合で3〜4打席くらいなので、
そのなかでの1〜2打席くらいはバッター有利なカウントで変化球を要求するといい感じです。
キャッチャーのリードの基本はこちらで解説してます。
打たせていい場合はストレートでOK!
バッター有利なカウントで変化球を要求するケースを解説しました。
バッターは有利なカウントになったとき、
ほどんどストレートを待ってる場合が多いです。
ランナーがスコアリングポジションにいる場合
点差が少ない場合
長打のあるバッターの場合
このようなケースで狙い球のストレートを要求すると、
ピンチが拡大したり、点を奪われたりと自チームが不利になる可能性が高いです。
このようなケースでは変化球を要求しましょう!
ただ、相手チームにバレたら効果はなくなります。
打たれても問題ないケースならバッター有利なカウントでもストレートを要求して、
気持ちよくバットを振ってもらうことも必要です。
この辺りのバランスや嗅覚は試合で鍛えましょう!
また、クセモノ系のバッターは有利なカウントでも変化球を待ってたりします。
その辺りは相手バッターの見逃し方、スイングの仕方などを観察して、
次のボールをストレートにするのか、変化球にするのかを決めましょう!