「キャッチャーは性格が悪い?」
「性格の悪い人がキャッチャーに向いてるの?」
「それともキャッチャーをやってると性格が悪くなる?」
このような疑問を持ってるかたに向けて、
キャッチャーの性格についてお話していきます。
キャッチャーの性格について引退したレジェンド名選手が
「歴代の名キャッチャーたちは性格が悪かった」と発言したり、
私自身も「キャッチャーをしてました!」というと、
「じゃあ、性格が悪いですねw」と言われたりと。
「キャッチャー=性格が悪い」という認識があります。
本記事ではキャッチャーは性格が悪いのか、それとも悪くなっていくのか、
そもそもキャッチャーは性格が悪い人が向いてるのかについてお話します。
結論としては、キャッチャーの性格は良くはないと思います。
ですが、人としての性格の悪さとキャッチャーとしての性格の悪さは違うので、
そこは誤解されないように、何卒よろしくお願いいたします。
キャッチャーは性格が悪いのか?
「キャッチャーは性格が悪いよねw」
こんな風に言われることが度々ありますが、僕もそう思います。
キャッチャーは配球を組み立てるとき、
基本的に相手バッターの苦手なところを見つけようとします。
見逃し方やスイングの軌道、ファールの方向やステップの位置などを観察して、
苦手なところを見つけていくので、決して性格が良いとは言えないんですよね。
また、配球には表と裏があります。
表とはセオリー通りに配球をすることで、
裏とは状況の雰囲気を感じ取って、セオリーを崩すことです。
大前提として配球の裏をかくには、
相手バッターがセオリーを知ってるかどうかを把握する必要があります。
考えてないなら裏をかいても意味がありませんからね
それからキャッチャーは相手バッターの仕草やスイングなどを観察して、
セオリー通りでいくか、裏をかくのかを考えます。
これはバッターとキャッチャーの騙し合い。
上手いバッターなら狙ってるボールなのに狙ってない雰囲気を出したり、
狙ってないボールにわざと手を出して狙ってる感を出してきます。
これを見破れるかどうか、もっと言うとバッターの仕草を信じるか、信じないか。
このようにキャッチャーは配球を組み立てるとき、
相手バッターを疑うところから入るので性格が悪いと言われるんですよね。
僕もキャッチャーをやってて性格悪いなと自分自身で思いますし、
もっと言うと野球をやってるときの私は決して素直ではないと思います。
キャッチャーをやってると性格が悪くなっていく?
さて、ここからが本題です。
「キャッチャーは元から性格が悪いのか?」
「それともキャッチャーをやってると性格が悪くなってくのか?」
個人的には圧倒的に後者だと思ってます。
キャッチャーをやっていくうちに、だんだんと性格が悪くなっていくんですよね。
最初はピュアな気持ち100%で野球を楽しもうとしますが、
ピッチャーが打たれてるのに、なぜかキャッチャーが監督から怒鳴られ、罵られます。
これ以上の理不尽はないと思ってました
これ以上は怒られたくない、理不尽な思いをしなくないと
野球のセオリーを勉強し、頭に叩き込み、試合で試します。
そして、また打たれたり試合に負けたりすると、
なぜかまたキャッチャーが怒鳴られ、罵られ、ときには人格を否定されたりします。
この辺りでようやく打たれるのはキャッチャーの責任だという自覚が生まれ、
もっともっと野球を勉強して、相手バッターを抑えたいという気持ちになります。
そうなると「キャッチャーは性格が悪いのか?」でお伝えしたとおり、
相手の苦手なところ、裏をつこうと性格が悪くなっていくんですよね。
この時点では2%くらいに下がってます
もちろん、最初からキャッチャー向きの性格を持ってる人もいるとは思います。
でも、ほとんどのキャッチャーは野球を始めた頃は、
ただ野球が大好きで、ボールが見えなくなるまで追いかけてた少年だったはずです。
そんな野球大好き少年がキャッチャーで色んな失敗や挫折を繰り返すうちに、
だんだんと性格が悪くなったり、素直じゃなくなったりするんだと思います。
キャッチャーは性格が悪い人が向いてる?
キャッチャーをやってるうちに性格が悪くなっていくのなら、
そもそも性格が悪い人がキャッチャーに向いてるのか?
これに対する僕の考えは「いいえ」です。
ここまでしっかりと読んでいただいた方はご理解いただけてると思いますが、
「キャッチャーの性格の悪さ=人間関係での性格の悪さ」ではありません。
キャッチャーは、ただ素直ではないだけなんです。
相手を疑うところから始まるからです
もし、キャッチャーの性格が悪かったら本当に最悪だと思います。
ピッチャーの調子を考えず、ピッチャーを盛り上げたり励ましたりする声も出さず、
「しっかり投げろよ、それがお前の仕事だろ!」としか言わないキャッチャー。
野手がエラーしたら「捕れないなら代われよ!」と言うくせに、
自分がエラーしたら「すまん!」の一言さえもなく、
自分のエラーをカバーしてくれた野手に「サンキュー」すらも言えない。
こんな性格の悪い人がキャッチャーに向いてるわけがありませんよね。
素晴らしいキャッチャーとは、チームの状況を見て、上手く声を出せるキャッチャーです。
ピッチャーの調子が悪ければ、なんとかいつも通りに投げられるように気を使ったり、
エラーやフォアボールが続いたら、チームを鼓舞するような声を大きく出したり。
このようにチームに気を使える性格かどうかもキャッチャーには大切です。
ですので、キャッチャーは相手チームにとっては「いやらしい存在」で、
自チームにとっては「頼もしい存在」でないといけません。
キャッチャーは性格が悪いだけでは、決して向いてないんです。
キャッチャーに向いてる人の特徴はこちらでまとめています。
勝負での性格の悪さは大切
キャッチャーは性格が悪い人が向いてるのか、それとも悪くなっていくのかお話しました。
キャッチャーの性格の悪さとは、決して素直ではないということです。
そして、キャッチャーをしてると純粋だった野球少年でさえ、
多くの失敗や挫折を繰り返すうちにピュアではなくなっていきます。
でも、勝負において性格の悪さ(素直ではない)は大切ですよね。
すべての対戦相手が素直な気持ちを持った人なら成立しますが、
なかには素直じゃなかったり、騙したりする人も少なからず存在します。
そういう相手にも勝たないといけないので、ある程度の性格の悪さは大切です。
ただ、素直に野球を楽しめなくなったら終わりなので、バランスを保ちましょう!